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全国各地で起こっている環境汚染、不法投棄、処理施設をめぐる紛争等、廃棄物処理の問題は、ますます深刻な状況となっています。
とくに産業廃棄物処理の問題については、地域住民に最も近い行政である市町村に法的権限や能力がなく、処理施設や施設設置計画をかかえる市町村は深刻な事態に直面しています。
私たち市町村は、こうした産廃問題の解決を目指して平成10年に「全国産廃問題市町村連絡会」を発足させ、情報の交換、研究研修、対応策の検討を重ねてきた結果、一部の市町村におきましては、問題解決にいたりましたが、今なお苦しみ悩んでいる市町村も数多くあります。
そのような中、当全国産廃問題市町村連絡会では数度にわたり環境省に対し、法制度の整備、産廃行政のあり方について提言をさせていただきました。
歴史的な政権交代により民主党政権が誕生し、これまで以上に環境施策への積極的な姿勢が打ち出され、私たちは産廃問題の解決にも大きな期待をしているところです。
つきましては、地域住民に最も近い私たち市町村の意見に耳を傾けていただきたく、今後の法制度の整備、産廃行政のあり方について、ここに提言します。
記
1 総合的な廃棄物法制度、包括的な廃棄物行政を確立すること
- リサイクル名目での不適正処理を防止するため、廃棄物処理とリサイクルの定義を、廃棄物処理法のもとで明確にすること。
- 一般廃棄物と産業廃棄物の法的定義を、排出源のみで一律に区別するのでなく、廃棄物の適正処理や効率的処理などの観点から明確にすること。
- 製造事業者による回収及びリサイクル費用負担の制度を確立すること。
2 産廃処理施設の立地に関する法令の整備をすること
- 埋め立てた廃棄物や廃棄物の焼却灰に含まれる有害物質が地下水や雨水に溶け出し、地下水汚染を引き起こす恐れがあるため水源地域への産廃処理施設の立地を規制すること。
- 産廃処理施設の設置には、施設の安全性と地域住民の理解が最も重要であるため、法律で一律に計画の事前説明と住民同意を要件に加え、そのための手続きを明確に規定すること。
- 産廃処理施設の立地に関して、過度の集中立地を防ぐため、終了した施設も含む既存施設から一定の距離を設けるように規制すること。
3 産廃処理施設の安全性確保に最大限の配慮をすること
- 産廃処理施設の立地選定にあたっては、何より安全性を重視する観点から、公共機関が関与した上、広く情報を公開し、科学的知見に基づき選定をすること。
- 産廃処理施設が閉鎖した後も、安全性を確保する観点から、管理責任の所在を明確にすること。
- 安定5品目の確実な分別ができていない現実や、安定と言われるものの中にも化学変化を起こし、有害物質を溶出させる恐れのある品目が含まれる以上、安定型処分場という類型を廃止す ること。
- 現在、安定型処分場への安定5品目以外の廃棄物の混入を防ぐ方策である目視による展開検査は、十分な効果が得られるとは考えられないため、早急な対策を講じること。
- 今なお、法令遵守の意識に欠ける許可業者が多く、不適正処理が後を絶たないため、許可取り消し等の処罰の基準を明確化し、指導対応を強化すること。
4 不法投棄された廃棄物の早期撤去に向けた制度拡充を図ること
- 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法
(産廃特別措置法)の期間が平成24年度で切れるため、その延長を図ること。
- 地域住民の生活環境の不安を解消するため、不法投棄等の除去等については国が責任を持って行い、原状回復を促進すること。
5 循環型社会形成の推進及び廃棄物処理の技術開発を急ぐこと
- 循環型社会形成を推進するため、産業廃棄物の埋立処理については、できるだけ早期に廃止し、3Rを徹底した上、最終的に排出される廃棄物については、廃棄物の埋立処分という考え方 から、資源の保管という考え方に転換を図ること。
- 廃棄物の不法投棄や不適正処理の抜本的な解決のために、国が積極的に廃棄物減量、処理技術の開発に奨励策を講じること。
以上
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